わたしの名はフレイ 作家・デザイナー見習い
神々とともに生きる詩人 一等星シリウスの導きを信じて

小説「本当の宇宙の能力」

=一章 本当の宇宙の能力=

本当の宇宙の能力 real_power_of_space
今から、50年前のこと。
2027年、一人の科学者が、ノーベル賞級の発明を2つした。
科学者の名前は、日本人の、在導万創(ペンネーム)と言う。
在導は、二つの論文を書いた。一つは、「新しい宇宙生命の構築」と言う論文で、もう一つは、「新しい宇宙の汎用エネルギーの発見」と言うものだった。
在導は、まず、その中で、「本当の宇宙の能力」と言うものを発見した。
これは、生命を成り立たせるために必要な前提条件を、ゲノム編集で変えられる、と言うものだ。
これによって、画期的なことが出来るようになった。
それは、ゲノム編集によって生まれた、放射能と光を食料とし、宇宙空間全体へと分裂して広がっていく生命、「ユミテル」と言う新しい生命である。
このユミテルは、放射能と光を食料とするため、地球以外の星や空間でも、生きることが出来る。
そして、自己を分裂し、宇宙へと増殖していく。
そして、ユミテルは食べ物である「ユミテル・フード」を作ることが出来る。そのユミテル・フードは、理論上、人間が何もしなくても、無限に宇宙空間に増え続ける。
よって、ユミテルによって、人々は、何も生産活動をしなくても、いくらでも、全員、何もしなくても生きられるようになった。
そして、ユミテルは、食べた後の老廃物として、酸素と水を作り出す。これによって、人々は、何も必要なく、宇宙空間全体で生きられるようになった。
在導は、もう一つの発見をした。それは、新しい汎用宇宙エネルギー、「ミラクル・ウォーター」の発見である。
この、ミラクル・ウォーターは、水素とアンモニアの化合物で、石油でも原子力でもなく、とてつもないエネルギーを人々に与えてくれる。
そして、これは、地球ではなくても、どんな惑星でも、簡単な方法で大量に作り出すことが出来る。
在導は、その2つの発見をした。
これは、その発見から50年後、2077年の物語である。

=二章 天国の始まり=

2077年の宇宙に、地球と言う文明は無い。地球そのものである星はあるが、地球の文明は放射能で滅びた。
また、宇宙には、日本やドイツのようなさまざまな国は無い。全て、「宇宙イスラエル王国」しかない。
だが、それは、イスラエルが宇宙を征服したわけではなく、イスラエルが悪いことをして地球を滅ぼしたわけではない。
このイスラエル誕生の物語は、子供たちの学校の一番最初に教えられる、極めて悲しく、そして愛溢れる物語なので、最初に説明しよう。
2027年、在導万創が論文を発表した時、彼はその論文の特異性と逸脱性から、日本の学界から危険視されてしまった。
人々にもそれが知れ渡り、在導はどこでも危険人物とされてしまう。日本だけではなく、アメリカやドイツにも味方は現れなかった。
だが、そこに、イスラエルが名乗り出た。「あなたはイスラエルユダヤ人が守る」と言われ、2028年、在導万創はイスラエルに亡命する。
家族や親族にも見放された孤独な在導は、イスラエルの中で、独り、著作活動をする。
その著作を見て才能を見出したイスラエル政府が、在導を教授として、イスラエルの大学の中で活動を許可するように命じた。
そして、2039年、地球は巨大な原子力事故をどうしようも出来なくなって、滅びる。
2011年に日本が原発事後をしたのをきっかけに、主に異常気象を原因とする原子力事故の問題が、アジア各地で頻発する。
そして、2039年アメリカで起きた原子力事故をきっかけに、在導のところにユダヤ人がたくさん集まって、ある会議をした。
それは、「ノアの方舟のように、ユダヤ人を宇宙に送り出せないか」と言ったものだった。
この頃、やっと、在導の発見した、「ユミテル」を作り出すことに成功したグループが突如としてイスラエルに無数に表れる。
そして、現実に、数十回の実験で成功すると、在導は、イスラエルの若者たち100人と動物や植物を乗せて、宇宙に逃亡し、「宇宙イスラエル王国」を建設する。
この経緯は「古代地球惑星における、古代イスラエルの、ノアの方舟の脱出」として、刻銘に記録されている。
そして、日本的なユミテルと言う名前の天使は、「ユピテル」と言うギリシャローマ神話の神として、在導と関連付けられた。
在導は王として生きることを拒否し、むしろ、積極的に宇宙で人々が自立して生きられるように、熱心に開発活動をした。
在導に欲は無く、イスラエルのたくさんの人々が与えた寄付は、ノーベル賞を模した「科学と言う基準ではなく、本当にイスラエルのためになることをした人々に与える名誉の賞の基金」にそのまま寄付され、結婚もせず、子孫も残さなかった。
在導は最後まで宇宙イスラエル王国で、人々の寄付によって生きた。その姿勢は、「宇宙イスラエル王国における、唯一のアジア人であり、日本的には天皇イスラエル的にはメシアであり、名誉称号はダビデ」とされ、今でも語り継がれている。
在導は、2050年、亡くなる。
そして、今のイスラエルは、「地上から脱出した天国」であるとされている。植物や動物は、そのまま、「ユピテル生命」として、宇宙全体へと広がる広大な空間を覆い尽くしている。誰もが好きなだけ、ユピテル・アップルを食べることが出来る。余談だが、在導万創は最後まで、自身の日本語を使い、ヘブライ語は話すことが出来なかったと言う。

=三章 パラレルワールド

この宇宙の真実は、既に、イスラエルの最高の科学力で、全て分かっている。
この宇宙には、パラレルワールドと言うものがあり、それは、それぞれの個人に三つずつ存在する。
一つは、「神のような最高の人間のバージョン」である。
そして、もう一つは、「悪魔のような最悪の人間のバージョン」である。
そして、最後の一つは、「みんなと同じ中で、埋もれる、平凡で普通の人間のバージョン」である。
この三つのパラレルワールドは、その人が好きな人、嫌いな人など、「色んな人間の視点を変えること」で変わってくる。
だが、基本的に、繰り返し最高、最悪、普通を生きるのである。
そして、永遠に続くと言うことの意味は、「自分の人生が終わったら、本当に自分が好きだった別の人生を生きる」と言うことが、永遠に繰り返し、循環し、いつまでも代わる代わる続くからである。
だが、宇宙にも終わりは訪れる。最高の瞬間は、最後の、神が現れ、全員が平等になり、悪魔を全員で倒すこと。
この宇宙は、そういう宇宙なのである。
イスラエルの素晴らしい点は、この宇宙のことを、一瞬から何億年まで、全て分かりつくした。最高に、完璧に、全てのことが分かった。
特に、キリストは、最高の人間だが、最悪の人間だ。誰もが、正の面と負の面を持っている。だから、誰もが平等に神に愛されているのである。
だが、その神とは、全員なのである。それぞれの、誰もが神で、誰もが倒されるべき、悪なのであり、神とは悪を倒すこと、成長すること、葛藤することなのである。

=四章 パートナーと生まれ変わり=

この宇宙には、必ず一人、自分のことを助けてくれる人間が居る。
また、必ず一人、憎むべき敵が居る。
そして、自分も誰かの大切な人であり、憎むべき敵だ。
そして、一人一人が冒険者であり、勇者だ。
愛する人が居れば、憎む人が居る。
一人一人が愛であり、正と負なのである。
死は、映画館で新しい映画を見るのと同じことだ。
同じぐらい辛くて、同じぐらい素晴らしい人生を生きる。
だが、全く違う。
良い人生を生きるために、次の人生がどうなるのかは分からない。
他の人生があることを知ると、人間は唯一の今の人生で、困難を乗り越えようとしない。
だから、死ぬのは怖い。
虫が気持ち悪いのは、幼虫のままで死ぬ虫には価値がないからだ。
そういう価値のない生物を神が作る。
神は価値のない人間の来世を価値のない生物に決める。
だが、明らかに虫は普通の生物だ。
あなたは、このままで死ぬとそういう生物になるだろう。
神は長生きをする人間が好きだ。
死にたくても、自殺なんかしない方が良い。
今死ぬと、悲惨な生物になる。
困難を生き抜いた方が、必ず来世で良いことがある。
地獄で頑張っている自分のことを誇りに思えば、必ずあなたは天国で王になる。
虫になるくらいなら、今頑張って生きた方が良い。
頑張れば、来世で賢い人間になれる。
人知れず頑張っていても、神はそれを見ている。
それなら、頑張れるはずだ。
天ではあなたがたの報いは大きいと聖書に書かれている。
報いは、良い報いだけではない。