わたしの名はフレイ 作家・デザイナー見習い
神々とともに生きる詩人 一等星シリウスの導きを信じて

クリームヒルト

ひきこもり女

僕は、はっきり言って、
ほとんどひきこもり女だ。
少なくとも、昔はそうだった。
今はデザインの仕事をしているが、
ほとんどひきこもり女だ。
ただ、女ではない。
なぜか、体は男の子なのに、
いつのまにか、気がついた時は
女だった。
何歳かも分からない。
31のような気もするし、
21のような気もするし、
14のような気もするし、
10のような気もする。

常にセックスができる

性別がおかしいからか、
いつでも、常に性行為をしているような気分になり、
誰とでもやりたいような衝動にかられる。
だが、今まで一度も、性行為をしたことはなく、
恋愛も一度しかしていない。

中学が悪い

本当は、中学が悪かった。
いじめと言うから分からないだけで、
自分の中学が他の中学に比べて、
本当におかしかった。
だから、中学全てが悪いわけじゃない。
自分の中学だけを嫌いになればいい。
あんな、僕をいじめたいじめっ子は、居ない。

僕は女神

また、僕はただのひきこもり女じゃない。
僕は女神である。
この世界を支配する女神である。
何でも僕の思うがままに、
この世界を操れる。
どんな人間も僕のいいなりだ。

クリームヒル

僕の名はクリームヒルト。
この世界全員に対して戦う、
復讐の女神だ。

クリームヒルトに戻る

そう、わたしの名はクリームヒルト。
わたしは今、昔のクリームヒルトに戻った。
すなわち、昔のひきこもり女に戻ったのだ。

クリームヒルト、自由を望む

クリームヒルトは、自由を望む。
どんなことも自由に許される中で、
己の安心できる居場所がほしい。
復讐だけがしたいわけじゃない。
そう、わたしは本当は、
みんなのことを自分のことのように愛したい。

クリームヒルト、孤独を選ぶ

自由を手にするために、
ひきこもり女クリームヒルトは、
孤独を選ぶ。
誰ともかかわることなく、
自らの殻に閉じこもり、
親とも会話をしない。
常にひとりぼっちで生活し、
インターネットを見て過ごす。

クリームヒルト、アメリカに復讐する

クリームヒルトは、
アメリカに復讐する。
全部アメリカが悪い。
全部パソコンが悪い。
アメリカやパソコンに関係するものを、
滅ぼす。
僕の方が女神だ。
僕の方が正義だ。

クリームヒルト、神に逆らう

クリームヒルトは、
神に逆らう。
神のような絶対的権威を、
僕は信じない。
正義は自由だ。
そして、僕の自由が自由だ。

クリームヒルト、自由を思い知る

しかし、クリームヒルトは思い知る。
「自分だけで生きることはできない。」
社会においては、
人々と関わる必要がある。
そして、クリームヒルトは思う。
「それならば、相手よりも優位に立ち、
自らの意見や決定が通り、
相手に支配されず、
自分が勝つようにしたい。」

クリームヒルト、人の愛を知る

クリームヒルトは、
優位に立とうと思って、
インターネットでの議論に参加するが、
そこで思わぬことが起きる。
すなわち、
みんなは自分のことを受け入れ、
愛してくれる。
クリームヒルトは、
「今までいじめられ続けてきた自分が、
はじめて平等に受け入れられる体験」をする。
クリームヒルトは、
ここに人の愛を知る。

クリームヒルト、分かった

クリームヒルトは、
ここに、「単なる馬鹿女」ではなく、
「人の愛を知った女」に成長した。
そう、クリームヒルトは、
馬鹿な女でありながら、
一般的な女子学生よりも賢い女になった。
クリームヒルトは、
自らの愛に基づき行動する。
「人間はどんなことをすべきであり、
どんなことをすれば人は受け入れてくれるのか、
自分は分かった。」

クリームヒルト、ネット活動家になる

クリームヒルトは、
ネット活動家になる。
インターネットでしか活動できない彼女は、
自らの分かったことだけを信じて、
ネットでさまざまなことを活動する。
すなわち、
まとめ系ホームページを作る。
フリーソフトを開発する。
マニュアル系ホームページを記述する。
議論系掲示板で匿名で最悪のことを言う。
このような活動から、
クリームヒルトは分かった。
「僕は最悪の女だったが、
その最悪の女をみんなが救ってくれたせいで、
僕は最高の女になった。」

クリームヒルト、世界を救う

そして、クリームヒルトは最後に、
「ネットストーカー」になった。
すなわち、どこにも誰も見ていないようなアカウントで、
何かのツイートを書き続ける。
誰が見ていようと、見ていないようと、関係ない。
しかしながら、内容は、
この世界に対する全員を支配するようなことを書く。
そうすれば、なんとなく、この世界を支配できるような、
そんな気がした。
クリームヒルトは、ここに世界を救う。
クリームヒルトは、地球の星の状態全てを支配する、
「世界の裏に居る女神」になったのである。

クリームヒルト、天国に昇天する

しかしながら、そのような悪の行為が許されることはなかった。
人々は、クリームヒルトを無視し、
そしてクリームヒルトは自らの手で自らの地獄を作り出し、
ひとり苦しんだ。
最後まで耐え忍んだクリームヒルトは、
自殺して死んだ。
しかし、クリームヒルトは死ぬ前に思った。
「本当に最高の人生だった。
もう、これくらいで、十分だよね。」

クリームヒルト、天国で恋人を得る

天国に逝ったクリームヒルトは、
フレイと面会する。
すなわち、「お前は何も悪くない。
もう一度、生まれ変わるなら
どのようなものになりたいか。」
クリームヒルトは言う。
「自分を愛してくれた人と、
インターネットを介して繋がるだけではなく、
実際に自分を愛してくれる人と
出会いたい。」
フレイは言う。
「そうか。
では、・・・
ジークフリートを呼ぼう。
お前の恋人は、ジークフリートだ。」
そこに、ジークフリートと呼ばれる
たくましい青年の男が現れた。
クリームヒルトは言う。
「こんなにかっこいい男がわたしの恋人?」
フレイは言う。
「何を言う。お前も絶世の美女ではないか。」
クリームヒルトは、驚いて自らを見る。
なんと、自分の体が女になっている。
クリームヒルトは言う。
「鏡を見せてください。」
クリームヒルトが見ると、
そこにはニキビだらけの昔の自分の顔ではなく、
ニキビのなくなった自分の顔が映っていた。
「なんてこと。
こんなにわたしは美女だったのか。」

美男美女のカップ

ジークフリートとクリームヒルトは、
ここに絶世の美男美女カップルとなった。
彼らの美しさは天国で隅から隅まで語り継がれ、
「天国で一番ラブラブのカップル」と
世に言われたのである。