コンピュータ方式の歴史

リレー

リレーを使ったコンピュータは、金属片が電磁力によって移動することで、電流の流れ方をスイッチのように切り替えることで論理回路を変化させ、その中を流れる電流の流れ方を変えることで、二進数の計算を行えるようにした。
リレーは、計算のたびに「カシャン」と音が鳴り、巨大だった。部屋いっぱいのコンピュータが計算のたびにカシャンカシャンと音を立てた。また、金属片を物質的に移動させるため、計算には金属片の移動のために時間がかかった。

真空管

真空管は、リレーの後に登場した。真空管は真空の中に電子を放出するフィラメントがあり、この電子がプレートと呼ばれる金属片にぶつかることで計算を行う。フィラメントとプレートの間にはグリッドと呼ばれる網があり、これが飛び交う電子を遮断することで、OnとOffを作り出した。
真空管は物質の物理的な移動を伴うリレーに比べて、光の速度で飛び交う電子の移動を使うため、格段に計算するスピードが高速になった。ここで、「電気計算機」は「電子計算機」になった。
だが、真空管は熱を放出し、たくさんの消費電力が必要となると同時に、コンピュータがある部屋はとても暑くなった。また、大きさは巨大だった。そして、フィラメントは消耗品であり、壊れやすく、壊れた時はどこが壊れたのかが分からず、ひとつひとつ目で確認する必要があった。

トランジスタ

トランジスタが発明されると、コンピュータの機体のサイズが小さくなり、消費電力も少なくなった。トランジスタはP型とN型の金属を結合した「半導体」と呼ばれるシリコンによる部品で、一方通行の電子の流れを、電力が通る「導通」と通らない「不導通」の2つの場合に分けることでOnとOffを作り出した。
トランジスタは、小さなコンピュータを可能とし、消費電力も少なくなった。これによって、卓上における段ボールほどの大きさの「小さくて家でも使える」ようなコンピュータが可能となった。また、頑丈になって壊れにくくなった。だが、壊れた時にどこが壊れたのか分からないのは相変わらずで、真空管のように目で確認することもできず、専用の機材を使って確認する必要があった。

IC

ICは集積回路という意味で、たくさんのトランジスタと同じOnとOffを制御する機能を持った小さな回路を、シリコンの中に微小かつ超集積的に書き込むことで作られる。
ICはさらに小さなコンピュータを可能とした。現代のコンピュータでは、ICをもっと巨大にしたLSIと呼ばれる技術でプロセッサが作られている。

マイクロコンピュータ

ここまで、コンピュータで計算するための素子の話をしてきたが、ここからは計算方法の話である。
日本の嶋正利というエンジニアが、電卓を作るためにひとつの革命的な思いつきをした。それは、今までハードウェアに物理的に書きこまれていた「計算のための論理回路」を、「プログラム」と呼ばれるCPUに対する命令とし、メモリから「CPU(中央処理装置)」に読み出して、読み出した命令を実行する、というもの。
計算をするための機能を物理的な機体で行うのではなく、「プログラムによって行う」という新しい発想をし、Intelと協力して、最初期の4bitのマイクロプロセッサである「Intel 4004」を開発した。このIntelの新しいプロセッサによって、マイクロコンピュータマイコン)の歴史が始まった。これが今のDOSWindowsに当たる流れである。

LSIと将来のコンピュータ

現代のLSI(ICの巨大版)では、写真印刷の技術を応用して、大きな図面を小さなシリコンの素子に書き込んで作られている。1mmの中に何億という素子が書き込まれている。
LSIは、日本の得意技術だったが、コスト削減やグローバル競争などで海外に工場と労働者を雇う関係から、最近では韓国のサムスンや中国のハーウェイなどに技術が流出している。日本国内の工場や労働者も減ってきている。
電子計算機は電子の移動によってコンピュータが計算するが、電子の速度は光の速度であり、できるだけ電子に抵抗する不純なものが無いように、絶対零度で動くプロセッサなどが将来的に研究されている。
また、光の速度よりも高速になるために、バイオコンピュータや量子コンピュータが研究されている。バイオコンピュータについては、人間の脳は不思議なもので、電子と光の速度で動くLSIよりも素早く答えを出すことがある。このため、バイオコンピュータでさらに高速になる可能性はある。また、量子コンピュータは量子の重ね合わせによって並列処理を行うもので、実現すれば今のコンピュータよりも異次元的な速さで計算ができるとされている。
そもそも、人間の脳というのは、計算だけをしているわけではなく、計算以外のもっと違った活動から素早く答えを出している。そのため、「計算しないコンピュータ」、すなわち計算よりも素早く答えを出すようなコンピュータも研究されている。

ニコン

ニコンミニコンピュータ)は、主にDECが作っていた、メインフレームに対する小型のコンピュータ。
当時のメインフレームがあまりに大型で大規模だったのに対して、オフィスや研究室にも設置できるような、小型の(冷蔵庫ほどの大きさ)コンピュータを指す。
DECのPDP-11はミニコンの代表的な機種で、エレガントな機械語の命令セットや洗練された設計でプログラマに大人気となり、初期のUNIXもこれの上で開発された。あまりに人気だったため、ソ連東ドイツなど鉄のカーテンを越えてコピーされた。後継としてVAXがある。
また、ミニコンメインフレームの端末として使われることも多く、性能の高いメインフレームのタイムシェアリングシステムをミニコンからネットワークで操作した。
ニコンの時代、まだOSが一般的でなく、ソニーなど各社が販売したミニコンは統一規格がなかった。そのため、データなどの相互のやり取りに苦労した。次第にミニコンでもUNIXが動くようになり、そのうちUNIXワークステーションが一般的になると、性能や価格などの面でUNIXWindowsに負けていき、DECはコンパックに買収された。買収されるまで、DECはIBMと並び称されるコンピュータ大企業だった。
ニコンの性能は、今のパソコン技術から見ると、ひよこのようなものである。メモリはキロバイト単位で、8インチの巨大な1メガバイト程度のフロッピーディスクを使ってデータをやり取りしていた。

簡単な説明

メインフレーム・ミニコンの歴史

メインフレーム

  • その他のOS
    • メインフレーム
      • IBMによる大型コンピュータ。とても高い信頼性と性能を誇るが、拡張性が低く、システム構築に巨額の費用がかかる
      • UNIXC/C++など標準的OS・言語を用いた小さなコンピュータをたくさん組み合わせた「オープン系システム」と今でも張り合っている
      • System/360
      • IBM Z
      • WebSphere