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ネットで支持される意味がない

ネットで支持される意味なんかない

僕が思うに、「ネットで支持されたい」とか、
「有名になりたい」などと思わない方が良い。
ネットで支持され、有名になった有名人には、
ろくな人間が居ない。
彼らのようになっても、何の意味もない。
良い作品ができたと思うなら、
自分だけでそれを評価すればいい。
誰かに評価された段階で、
必ず「アンチ」がついて、
悲惨な結果にしかならない。

何かしらあれば有名になる

有名になるのは、むしろ簡単である。
有名になるに値する「何かしら」があればいい。
たとえば、リーナス・トーバルズならLinuxがある。
ラリー・ウォールならPerlがある。
まつもとゆきひろならRubyがある。
そういう、「何かしら」があれば、すぐに有名になる。
僕にはそうした何かしらは今のところない。
IT技術だけではない。作家も同じだ。
藤子・F・不二雄ならドラえもんがある。
水木しげるにもゲゲゲの鬼太郎がある。
それくらいが賢い。
有名になるのなんか、何かしらを作ってから考えればいい。

謙虚なら平凡の方が良い

しかしながら、目指すべきは尊大な有名人ではない。
謙虚であれば、それでまともな人間である。
それなら、むしろ平凡な方が良い。
そもそも、賢いハッカーやオタクは賢くない。

有名になんかならずに普通の人間を生きたい

僕は有名になんかならずに、
普通の人間を生きたい。
つまらないSNSを作っても誰も賢いと言わない。
GTKのようなウィジェットツールキットを開発したとしても、
有名になるかもしれないが、
開発から保守に至る手間やコストが高すぎて割に合わない。
リーナスのような有名人が日本に居ないのは、
単に日本のレベルが低いのもあるが、
日本人は献身的に無償で頑張ろうとする人間が居ない。
技術レベルが低いせいで、
居たとしてもWindowsフリーソフトレベルにしかならない。
しかしながら、Linuxなんかのために無償で頑張るのは割に合わない。
単に、英語が読めないから、という理由もあるだろう。
また、そのようなことをしても、品質が低ければ誰も評価もしない。
日本人はハードルを高めたがる。
きちんと高品質でなければ、日本人は使おうとも協力しようともしない。

日本にはITの博士が居ない

日本にはIT技術について精通する「博士」が居ない。
博士と言う言葉でなければ、「ハッカー」でもいい。
日本にはそういう、
UNIXやCのトンプソンやカーニハンやリッチーのような、
博士級のハッカーが居ない。
居ても、RubyLispに詳しい、というレベルで、
AT&Tベル研並みに賢い博士や研究所がないから、
UNIXを開発するとしても、そもそも作り方が分からないのである。
ストールマンのような「髭を生やしたグル」が居ないせいで、
日本のレベルはWindowsフリーソフトレベルで、
OSやウィンドウシステムを自分で書いてやろうといった
英雄が居ないのである。

日本のプログラマには知識のあるオタクが多い

また、日本のプログラマには知識のあるオタクが多い。
HTML/CSSからJava/PHP/Ruby on Rails
あるいはJavaScriptC#/.NETやMySQL/PostgreSQLまで、
全部常識を知っているようなオタクはたくさん居る。
だが、日本のオタクは、そこから先へと進めない。
自分でそうしたものを作ろうとしても、できない。
それは仕方ない。
日本にはそうした土壌がなく、
Xeroxパロアルト研もなければ
MITメディアラボもUCバークレー校もないから、
本当に作るのであればアメリカで学ぶしかない。
あるいは、最近は人工知能やAIが盛んだが、
GAFAに入れば最先端の研究ができる。
データベースならOracle、デザインならAdobeだが、
そうした巨頭に比類する日本企業はほとんど存在しない。
あったとしても、日本オラクルとか、日本IBMとか、
そういう外資系の子会社にしかならない。
賢いベンチャー、たとえばはてなMixiなどの会社は
アメリカの同様のベンチャーのように、
国際化・グローバル路線ができず、
日本ローカルでいくらかシェアを集めるだけで、
GAFAなどにはまったく太刀打ちできていない。

日本にもシステムアーキテクトは居るだろう

ただ、僕が知らないだけで、
おそらく日本にもきちんとしたアーキテクトは居るだろう。
それは、書籍を読んでいると分かる。
みんな、きちんとシステムの設計ぐらいできる。
そのうち日本にも、一流の研究所や企業が生まれるだろう。
単に僕が無知なだけである。

本当は難しくない

しかしながら、本当は難しくない、と言っておきたい。
それは、最近の僕の経験から言って、
Linuxカーネルの開発がしたいなら、
K&R(「プログラミング言語C」という書籍の愛称)と、
MINIX本(「オペレーティングシステム 設計と理論およびMINIXによる実装」という書籍の愛称)だけを読めばいい。
明らかに、それできちんとインターネットを調べる知識があって、
英語のコメントやドキュメントを読むことができて、
ネイティブ並みにコミュニケーションができる英語力があれば、できる。
なぜか、K&RMINIX本だけ読んでしまえば、
OSの基本的な仕様や必要なC言語の仕様なんか、既に書いてある。
あとは、Linuxカーネルの応用的な技術をひとつひとつ見ていけばいい。
僕はK&Rを一度読んでおくことをおすすめする。
K&Rを読むと、Linuxソースコードを何も知識なく見ても、
何が書いてあるか、普通に分かるようになる。
ただし、コメントやドキュメントは全て英語だが、
今のGoogle翻訳は質が高くなっているため、機械翻訳でもなんとかなる。
また、MINIX本は全て読まなくても、
リファレンスとして持っておいて、必要なところだけを読む。
特に、MINIX固有の実装のようなところは飛ばしていい。
MINIX本で必要なのは、基本的な考え方の理解だけだ。

カーニハン&リッチーとタネンバウムが別格すぎるだけ

しかしながら、僕が思うに、
カーニハン&リッチーとタネンバウムが別格すぎるだけである。
そもそも、リーナス・トーバルズアメリカ人ではない。
フィンランド人である。
フィンランドは一応自由主義圏だが、ソ連寄りの姿勢を持った国である。
日本人だって、その気になればきっとできる。
絶望する必要はない。
たとえば、イラスト系の製品ならSAIやクリスタがあるし、
データベースはどこのIT企業でもきちんと作っている。
Railsの開発者ぐらいのレベルなら、ネットにいくらでも居る。
RubyのMatzは日本人だし、
xyzzyのようなEmacsライクなエディタとか、
Sleipnirのようなタブブラウザとか、
いろいろと日本には技術はある。
「既にあるWindowsの技術を使っているだけだ」と言うなら、
LinuxWebKitを使うGoogleだって似たようなものだ。
きっと日本ならきちんとできる。
ベル研やIBM・DECほどのレベルでなくても、そんなに小さな土壌ではない。

日本には商用サービス会社が多い

また、ネットだけを見ているとそれくらいしかないように見えて、
日本には商用サービス会社が多い。
楽天とかソフトバンク・ヤフージャパンなど。
こうした企業が、むしろけっこう色んなところに貢献している。
あとは、日本には2ちゃんねるのような場所が多かった。
最近少しずつ隠れて見えなくなっているが、
2ちゃんねる文化は「匿名なのに情報が一か所に集まる」という
奇妙な文化を生み出した。
だから、2ちゃんねる(今は5ちゃんねる)を見ていると、
なぜか「誰よりも全ての常識を知り尽くしている人間」になる。
これは日本においては珍しいことではない。
最近はアメリカのSNSが流行っているが、
むしろ、「いつもの女子高校生がやっていたことと何も変わらない」のである。

中国と日本のIT企業

また、アメリカもいつまでも安泰というわけではない。
その例がTikTokである。
TikTokは短い動画を中心とした動画配信・共有サービスだが、
中国企業によるサービスであり、
法律上中国共産党に情報を渡す必要があるため問題視されているが、
ここから、中国のサービスがもっと増えた時に、
そうした中国のサービスを「全部使うな」という
アメリカのトランプ政権は時代に逆行している。
中国を擁護するわけではないが、
日本のABEMAなどのテレビ放送サイトは、
少し前の藤井聡太棋聖戦王位戦で注目され、
僕も棋聖戦の最終局をABEMAで視聴した。
このように、単に大型コンピュータのIT技術ではなく、
「マルチメディアやインターネットに特化したITサービス」というのは、
IBMやDECのような「旧来のIT技術がなくても実現できる」。
なぜなら、それはNTTとかSONYとか民放テレビ局などの会社に、
「今まで別の分野の事業で培ってきた蓄積」があるからである。
Googleが車を作ることは困難を極めたが、
逆にトヨタIT技術を開発することは、
予想外に簡単だったという話もあるくらいである。
日本人は何ひとつ分からない黄色い猿ではない。
今までのさまざまな技術を応用すれば、
日本と中国だけで勝利する日も来るだろう。