わたしの名はフレイ 作家・デザイナー見習い
神々とともに生きる詩人 一等星シリウスの導きを信じて

執筆

作家は人間を作るのが仕事

作家が何をする職業かというと、「人間を作る」というのが作家の主な仕事です。

文学とよく似たジャンルとして、演劇というジャンルがあります。演劇では、舞台の上でそれぞれの俳優や役者が「その人物になりきって演技をする」ことで、面白く、感動する舞台を作り上げます。

ここで、文学は「作家ひとりが全ての人物(キャラクター)を作る」のに対して、演劇は「それぞれの役者がそれぞれの人物を作る」というのが違います。

作家とは、人物を作るのが仕事です。人物作りや設定を間違えないようにしましょう。

シナリオはドラマチックにすると同時に雰囲気を出す

また、シナリオはドラマチックであればあるほど良いです。奇跡がたくさん起きて、ありえない展開がたくさん起きれば起きるほど、読者はそれに対してワクワクしてくれます。

そして、作品の雰囲気を作り出すために、物語の前提条件や文化的背景などを作り、その世界観の中でできることを考え、シナリオを作ります。

僕もそんなにシナリオを上手く作れるわけではありませんが、「ドラマチックと奇跡+作品の世界観=シナリオ」ではないかと思います。ここに先に書いたような「人物の創造」を組み合わせることでシナリオを作ることができます。

少しずつ明らかにする

ただし、これだけではありふれたものがたりになってしまいます。

ソフィーの世界などでは、ミステリー小説のようにありえないことがたくさん起きた後で、伏線が消化され、「なぜそういうことが起きるに至ったのか」がものがたり中盤から明らかにされていきます。

こういう、「少しずつ本当の理由を明らかにしていく」という「ちょっとずつ見せる」という方法がシナリオを賢くするために有効ではないかと思います。

メインテーマとシナリオテーマがある

また、僕が考えるに、文学作品には、「メインテーマ」と「シナリオテーマ」があると思います。

たとえば、映画ドラえもんであれば、「この世界が魔法の世界になったらどうなるだろうか」とか、「ロボットとロボットの戦いに巻き込まれたらどうなるだろうか」とか、「海底や雲の上を自由に旅できたらどうなるだろうか」というテーマがあります。

これは、ものがたりの一巻ごとに違うシナリオのテーマです。ですから、僕はこれを「シナリオテーマ」と名付けます。

そして、シナリオを超えたところにある、「メインテーマ」が映画ドラえもんにはあります。それは、「ドラえもんのび太の友達が冒険をして、ハラハラドキドキの奇跡を起こして、無事に帰ってくる」というテーマです。

このテーマは、他の作品にも言えるでしょう。たとえばワンピースであれば、シナリオは麦わらの一味と敵が戦い、少しずつ仲間が増えていくというシナリオテーマがありますが、メインテーマは「悪魔の実という特殊能力のある世界で、海賊たちが戦い冒険し、感動して次々と敵を倒していく」というテーマです。

メインテーマを最初に決めてしまい、その後にシナリオテーマを考えて、先に言ったようにドラマチックで世界観と雰囲気のあふれるシナリオを書き、少しずつ展開と伏線を明らかにしていけばいいのです。

そして、そのためには、「人物を作る」という仕事が欠かせないのです。

また、メインテーマについていえば、必ずしも単純な冒険のものがたりばかりではありません。ロシア文学ドストエフスキーや、ガンダムなどは、大人向けの「ソウルテーマ」のようなものがあり、精神性と「そのものがたりで作者が本当に言いたいこと」があります。ドストエフスキーの「白痴」では知能的に馬鹿な人間と性格的に馬鹿な人間のどちらが本当に愚かなのか(場合によっては愚かな悪人の方が軽度の知的障害者よりも愚かである)、といったことを重く、強く提示するのです。これもテーマであると言えます。そして、このテーマがもっとも作品を作る上で重要なのです。